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玉川の酒造り

玉川の酒造り

私たち木下酒造は天保13年(1842年)、
京丹後久美浜の地で創業しました。
玉川という名前の由来は蔵のすぐ隣に川上谷川という川があり、
玉砂利を敷き詰めた感の、清流であったそうです。
当時、川や湖を神聖視する習慣もあり、
玉(とてもきれいな)のような川というところから、
玉川と命名されました。
以来この地で綿々と酒造りに励んでいます。

玉川の特徴

変化が面白い玉川

時間軸と温度の違いによる味の変化は、日本酒の最大の魅力だと私たちは考えています。 玉川の酒は少し温度を変えて飲むと驚くほど違う表情を見せ、ロック、冷酒、常温から極端な熱燗やかんましまで、さまざまな温度帯で楽しんでいただけます。 温度を変えながら、合わせる料理による味わいの変化もお楽しみください。
変化が面白い玉川

長持ちする玉川

一般に「日本酒はデリケート」と言われていますが、玉川にはあてはまりません。玉川は丈夫な酒。すなわち熟成を楽しめる酒、傷みにくい酒なので、急いで飲む必要はありません。 飲食店などのお得意先からも、「玉川は封を切って最初の1杯より、最後の1杯のほうが美味しい」とのコメントを数多くいただいています。また社内でも、封を切ってから数ヶ月、数年間置いた商品を飲んで「旨い!」と感動することは珍しくありません。 丈夫な酒は、管理の楽な酒でもあるのです。
長持ちする玉川

食中酒の玉川・旨みの玉川

玉川の味の軸は「旨み」です。飲みごたえのある酒が多いため、バーのように、酒だけを楽しむシチュエーションで喜ばれています。 その一方で、幅広いタイプの料理と相性のよい玉川は、国内外の居酒屋やレストランで食中酒としても好評をいただいています。 玉川が料理の魅力を引き出し、料理が玉川の魅力を引き出す。「この料理にはこの玉川!」という絶妙な組み合わせを発見したときの喜びは格別です。
食中酒の玉川・旨みの玉川

育つ玉川

木下酒造では、さまざまな形で熟成に取り組んでいます。 しかし、どんな大古酒であろうと、生まれたときはすべて「無ろか生原酒」。その生まれたままの姿で、玉川の各商品を季節商品の「無ろか生原酒限定品」として、毎年秋から翌春までご案内しています。 また、いわば酒の出発点である無ろか生原酒に「加水」や「火入れ」などの処理を行い、バラエティ豊かな味の方向性を持たせた上で、熟成をかけたものを通年販売しています。 「正しい/正しくない」「完成/未完成」という視点で捉えるのではなく、日本酒が持つ無数の“美味しい”を色々な形で表現し、皆様に楽しんでいただきたいというのが私たちの願いです。 ぜひ、「無ろか生原酒」という出発点から、多彩なバージョンの玉川の変化と成長をお楽しみください。
育つ玉川

温度による変化が楽しい玉川

玉川の商品の多くは、少し温度を変えると飲んだときの印象が激しく変わります。 燗はもちろん、冷蔵庫から出した酒が常温に戻っていくときの変化や、氷を入れたあと、温度とアルコール度数の移り変わりによる味の変化もとても楽しいものです。

玉川の適温は高め

日本酒には商品によって合う温度、合わない温度がある上に、個人の好みもあります。冷やして飲むのがお好みなら、それはそれでもちろん楽しいことです。 しかし玉川の商品に関しては、しっかり冷やすよりも、少し高めの温度で美味しく感じることが多いと私たちは感じています。 日本酒を美味しく飲むための適温は人によって違いますが、玉川の旨さを引き出すには、各温度帯で「標準」とされる温度より高めの温度でお試しいただくことをお勧めします。
温度による変化が楽しい玉川

燗の一般論と玉川のお薦め

日本酒の燗について、次のような言葉をよく耳にします。
  1. 「日本酒の温度を上げすぎると味が崩れる」
  2. 「一度燗をつけた酒は冷めると不味くなる」
  3. 「生酒は燗にしてはいけない」
  4. 「大吟醸クラスの酒は燗にしてはいけない」

1と2に関して言えば、そういう酒が存在するのは事実ですが、玉川のほとんどの酒はそうではありません。一般的には、熱い燗酒は味が荒く、きつくなるイメージを持っている方が多いようですが、玉川の酒では逆の現象が起こるケースがほとんどです。ぬるめの燗をつけると味が固く、苦味や渋みが目立つ傾向があります。ところが、しっかり温度を上げると逆に優しい旨味が膨らみ、味の輪郭が柔らかくなります。
一般的に「飛び切り燗」の温度は55℃と言われますが、玉川の燗つけマニュアルが存在するなら、この温度は最低ライン、燗の入り口に過ぎません。しっかり熱くし、冷めながら変化する味を楽しむのがお薦めです。燗冷かんざましも、元の常温の酒とはまた違う旨さがあります。
燗の温度も嗜好で決まりますので、正解はありませんが、木下酒造のスタッフが玉川の酒をヌル燗にして飲むことはほとんどありません。

3と4に関しては、生酒と吟醸(特に大吟醸)の酒の中には、冷やさないと味の輪郭がぼやけ、美味しくないものが多くあります。玉川はというと、このタイプの商品でも燗にして楽しんでいるお客様は少なくありません。恐れずに、一度お試しください。

いずれにしても、“正解”はありません。色々な温度帯で遊んでいただき、変化を楽しんでいただければ幸いです。

燗の一般論と玉川のお薦め

蔵元ごあいさつ

11代目蔵元木下善人

ようこそ木下酒造有限会社のホームページにお越しくださいました。

弊社は天保13年(西暦1842年)より約180年にわたって、酒造りを継承してまいりました。創業は5代、木下善兵衛が30町歩あった田圃から収穫した米を、裏山から懇々と湧き出る山水で酒造りを始めたようです。6代、7代と木下善兵衛を襲名し、8代木下仙太郎、9代木下善一郎、10代木下寿一、そして現在は11代目として、私、木下善人が社長の役割を担っています。

玉川という名前の由来は蔵のすぐ隣に川上谷川という川があり、玉砂利を敷き詰めた感の、清流であったそうです。当時、川や湖を神聖視する習慣もあり、玉(とてもきれいな)のような川というところから、玉川と命名されました。

11代目蔵元となってからは、私の生まれる前から木下酒造に勤めていた中井昭夫杜氏と二人三脚で歩んでまいりました。彼は持ち前の勤勉さで玉川の変わらぬ品質を支え続け、大きな貢献をしてくれました。16歳より48年に亘り木下酒造を支えてくれた中井杜氏亡き後、平成19年からは、イギリス人のフィリップ・ハーパーが杜氏を務めております。

30年を超える酒造りの経験を元に、家付き酵母を使った自然仕込の山廃や、江戸時代の製法を再現した酒など、挑戦的な酒造りで玉川の新たなファン層をつくりだしています。

新しい杜氏を迎えるとともに、新生・玉川の象徴として、ひげ文字と呼ばれる書体だった以前の「玉川」を、独創的なロゴに一新しました。日本画家で日展評議員を務める私の義兄、坂根克介氏のデザインによる斬新なロゴは、今では通称「丸玉マーク」として皆様に親しまれております。

私たちの使命は、農家の皆様が丹精を込めて育ててくださったお米を使い、美味しいお酒を造る事です。飲んでくださるお客様が、美味しいと喜んでくださること、そしてそこには笑顔があり、そしてアルコール飲料であるが故、酔いということを通し、楽しいひと時を過ごしてもらえます。

皆様に喜んでもらうことが、私たちの仕事であるとするならば、こんなにすばらしい仕事はありません。

「心を込めて旨い酒を造る」この事をモットーに玉川を飲んで頂くお客様に喜んで頂けるよう、誠心誠意、正直な酒造りに努めてまいります。

11代目蔵元木下善人

玉川の歴史

1842年(天保13年)
5代 木下善兵衛が酒造権を買い受け酒造業を始める
2007年(平成19年)
フィリップ・ハーパーを杜氏として迎え入れる
家付き酵母の山廃の製造開始
タイムマシンの製造開始
2008年(平成20年)
玉川ロゴ変更 日展評議員 坂根克介氏にデザインを依頼
2009年(平成21年)
海外輸出開始 アメリカ(オークランド・ニューヨーク・ホノルル) イギリス 等
アイスブレーカーの製造開始
2013年(平成25年)
上ノ山蔵 増設
2015年(平成27年)
新仕込み蔵 増設
上ノ山冷蔵庫 増設
2017年(平成29年)
創業175周年記念式典の開催
2022年(令和 4年)
精米所 新設 委託精米事業を始める

杜氏紹介

杜氏 フィリップ・ハーパー (Philip Harper)

1966(昭和41)年イギリス、コーンウォール生まれ。オックスフォード大学卒業後、1988(昭和63)年日本の英語教師派遣のJETプログラムで来日。
2年の任期を経て奈良県の酒造メーカーで蔵人として10年働き、2001(平成13)年、南部杜氏資格選考試験に合格。
その後大阪の酒造メーカーを経て2007(平成19)年、木下酒造へ。初年度に全国新酒鑑評会で金賞を受賞。

「Ice Breaker(アイスブレーカー)」、「Time Machine(タイムマシーン)」など、これまでの日本酒の概念を覆す新しい商品を開発。
「心を込めて旨い酒を造る」という想いを大切にし、全量の精米、玄米から清酒になるまでの一貫した管理を自社で行う。